
秦国の六大将軍は、キングダムにおいては輝かしい栄光を手にした英雄たちです。ただ、その実際の活躍は、王騎ですらほとんど描かれていません。
キングダムでは、王騎が最強であるかのように描かれてますが、史実では白起こそが連戦連勝、天下の大将軍にもっとも近い存在だったんです。
六大将軍の一覧
秦国の六大将軍とは、キングダムオリジナルのものです。史実には六大将軍という役職は存在していません。
六大将軍に名を連ねたのは、
- 白起(はくき)
- 王騎(おうき)
- 王齕(おうこつ)
- 胡傷(こしょう)
- 司馬錯(しばさく)
- 摎(きょう)
の6人です。
白起
六大将軍の中でも、最強と言われる将軍です。趙国旧・三大天の一人、廉頗に「六大将軍の中で、一番やりにくかった相手」と言わせています。
有名な戦歴
白起の戦歴の中で、もっとも有名なのは「長平の戦い」です。長平の戦いで、廉頗と互角の争いを繰り広げるのですが、廉頗が総大将の任から更迭されたことで、勝利を納めています。
その後、40万人の捕虜を兵糧不足による反乱を危惧したことにより生き埋めにしたことは有名です。
最後
白起は、あまりに戦に強かったせいで、味方であるはずの秦国中央の司令部の策略により、徐々に疎外されるようになり最後は、自害しています。
史実では
白起は、史実においても数々の戦に勝利しています。韓の新城から始まり、魏の大小60あまりの城落とし、武安君の称号を得ています。
さらに、楚の首都・郢(えい)を攻め落とし、首都を陳に遷都させています。
その後も、白起の勢いは止まらず、韓・魏・趙に対して、連戦連勝を重ねます。そして、白起の運命を大きく変えることとなった、長平の戦いもこの時期にあります。
長平の戦いの後、白起は、趙の首都・邯鄲に攻め入ろうとしますが、宰相の范雎(はんしょ)が、自分の地位を白起に奪われることを懸念し、白起が邯鄲を攻め込む前に、趙と和議を結んでしまいます。
この後、秦は王齕(おうこつ)を大将として、邯鄲を攻めますが、魏の信陵君と楚の春申君の援軍もあり、大敗北を喫しています。
王齕が負けたことで、范雎は慌てて白起に趙を攻めるように命令しますが、一度生まれた不信感は、簡単に拭えるものではなく、病と称して出陣を拒否します。
この時、白起は本当に重い病にかかっていたという説と、仮病だった説がありますが、事実は定かではありません。
白起の最期は、国王であった昭王に自害を命じられます。
白起も、これが昭王の命令ではなく、范雎たちによる策略であることは察していました。しかし、長平の戦いで、40万もの捕虜を生き埋めにした報いであると、自害せよという命令を受け入れ、この世を去るのでした。
王騎
キングダムに登場する武将の中で、屈指の人気を誇るのが王騎です。信に大矛を託した人物で、天下の大将軍がどういった存在なのか、自らの生き様を以って示しました。
主な戦歴
戦神と言われた昭王の下で、中華統一を目指して各国で猛威を振るいました。長平の戦いでも、白起の副将として参戦しています。
廉頗の代わりに総大将に任命された、趙括を「興が削がれた」といって一蹴しています。王騎は、強い相手と心ゆくまで戦うことに生きがいを感じていたようです。
最後
王騎の最後は、摎を殺した因縁の相手である龐煖との一騎打ちです。序盤こそ龐煖の武に押されますが、終盤は龐煖を圧倒。しかし、あと一太刀というところで、敵の弓矢が背にあたり、龐煖に敗れてしまいます。
その後、信たちの援護を受けて、なんとか戦場を離脱しますが、山中で愛馬に跨ったままこの世を去ります。
その姿があまりにも猛々しく、大将軍にふさわしい最期だったため、キングダム序盤最大の見どころといって過言ではないでしょう。
史実では
史実では、王齕と王騎は同一人物ではないかという説があります。キングダムでは、天下の大将軍として描かれている王騎ですが、実際には大きな活躍をしたという記録は残っていません。
そのため、キングダムでも王騎が「どこどこの城を攻め滅ぼした」という話はほとんどなく、「中華を駆け巡った」と、ぼかしているのでしょう。
王齕
六大将軍随一の怪力を誇る将軍です。おなじく怪力自慢の楚の武将・汗明に一騎打ちで敗れたと言われていますが、真相は謎のままです。
史実では
趙の邯鄲を攻めるも、大敗北を喫するなど、将としての力は白起に劣ります。白起や蒙驁、麃公といった同年代の武将と一緒に戦うことが多かったようです。
胡傷
六大将軍で最も知略に長けた人物です。他の五人は武を得意としていますが、胡傷は唯一軍師として大将軍の座についています。
他の五人の戦略を練っていたのも、この胡傷と言われていて、王翦や昌平君といった知略の天才たちの師匠と呼べる人物です。
司馬錯
史記を書いた司馬遷の先祖です。キングダムでは、未だ謎に包まれた存在で、今後もおそらく焦点があたることもないはずなので、史実のみでしか知ることができません。
摎
六大将軍の中で唯一の女性です。昭王と身分の低い女性との間に生まれたのですが、後宮内が激しい権力争いの渦中にあったことから、その身を守るために、王騎の父に預けられました。
召使いとして王騎の側にいるうちに、戦神と言われた昭王の血筋も合間って、並外れた武力を身につけます。
最後
王騎と「白を百落としたら、嫁にしてください」という約束をしており、その約束まであと一つにせまった馬陽で、突如あらわれた龐煖によって討たれてしまいます。
摎が殺されたのを見た王騎は、かつてないほど怒り、龐煖を崖から谷底へ落としています。
まとめ
史実では、六大将軍という称号は存在していません。
しかし、秦国には白起を始め、列国にその名を轟かす武将が数多くいたことは事実です。
この層の厚さが、秦国の天下統一の大きな要因であったことは間違いありません。
ただ、白起のように、強すぎる武官が、文官たちの権力争いに巻き込まれ、自害に追い込まれることも少なくないようでした。
自国の最強の武将でさえも、謀によって処罰できるというのは、見方によっては、秦国の層の厚さを証明しているかのようです。
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