王翦の頼みごとを予想〜昌平君、ひとつ頼んでおきたいことがある・・〜

こちらの記事では、王翦が鄴攻めに向かう前に、秦国軍総司令の昌平君にした頼みごとの内容を予想しています。

鄴攻めは、秦国が嬴政の代で中華統一を為すために昌平君が何度も何度も模擬戦を繰り返して立てた戦略です。それほど重要な戦いの前に、王翦が昌平君にした頼みごととなればかなり重要なことであることは間違い無いですね。

王翦が昌文君にした頼みごと

王翦の頼みごと

• 閼与付近に別働隊と兵糧を用意しておいて欲しい
• 王賁が武功を上げたら将軍に昇格させて欲しい
• 自分の領土が欲しい

可能性としてこれらが考えられます。それでは一つ一つをもう少し詳しく考察していきます。

閼与付近に別働隊と兵糧を用意しておいて欲しい

元々は、閼与からの鄴解放軍を迎撃することが、朱海平原の戦いにおける秦国軍の目的です。しかし、普通に戦っていたら、秦国軍と鄴、先に兵糧が尽きるのは間違いなく秦国軍です。

そこで、王翦は二つの策を講じるのです。

• 伏兵を用いて鄴にある食料庫を焼き払うこと
• 自ら朱海平原の戦いが行われている最中に秘密裏に閼与を攻略すること

食料庫を失ったことで、鄴陥落は急激に早まり、さらに閼与を攻略することで、秦国軍は列尾とは別の兵站を確保することに成功するのです。

そして、その閼与を攻めるためには、秦国からの別働隊による援助が必要不可欠です。そこで、戦いの前に昌文君に対して、「閼与付近に、別働隊と兵糧を用意しておいて欲しい」と頼みごとをしたと考えられます。

もし、これが本当なら、王翦の先読みの力は途方もないものですよね。一体、何手先まで読めばここまでできるのか想像もつきません。

王賁が武功を上げたら将軍に昇格させて欲しい

王翦が親心で、王賁の昇級を手助けすることも、ひょっとしたらあるのかもしれないですが、可能性としてはかなり低いです。

• 王翦は王賁が本当の自分の子供ではないと疑っているため
• 王翦は王賁（玉鳳隊隊）が覚醒することに確信を持てていなかった
• 王賁はすでに自力で将軍になれる実績を上げている

王翦は王賁が本当の自分の息子ではないと疑っている

そもそも、王翦は王賁のことを自分の息子ではないのではないかと疑っているという噂があります。それが本当なら、出陣前の軍総司令との貴重な会話の場で、わざわざ王賁のことを気にかけることはないですよね。

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王翦は玉鳳隊の覚醒に半信半疑だった

朱海平原の戦いの12日目に飛信隊と玉鳳隊が覚醒します。王翦は飛信隊の覚醒は読んでいましたが、玉鳳隊は半分賭けだったと話しています。

つまり、王翦は王賁の指揮力と玉鳳隊の力を測りかねているみたいです。そんな状況で、冷静な王翦が、王賁を将軍に推すはずはないですよね。

▷王翦将軍の素顔と性格の謎〜兜で隠したかったものとは？〜

王賁はすでに将軍になれる実績を上げている

王賁は、すでに著雍の戦いにおいて、将軍に昇級できるだけの武功をあげていましたが、昌平君と騰の反対により、五千人将に止まっています。

「将軍の副官として、将軍の戦い方を学ぶことが必要だ」という理由からでした。

そして、その言葉通り、王賁は朱海平原で、間違いなく将軍に昇級できるだけの武功をあげていきます。

王翦としても、王賁が実力で将軍になることを望んでいるはずです。

自分の領土が欲しい

王翦には、自分の国を作るという大きな野望があります。その礎となる人材集めをするシーンが初登場した山陽の戦いからあります。

これまで、王翦がスカウトしたのは、

• 廉頗四天王の姜燕（きょうえん）
• 楽華隊の蒙恬
• 現・趙国三大天の李牧

いずれも断られていますが、知略と遠距離攻撃を得意とする武将ばかりです。王翦が作ろうとしている国は、武力ではなく外交戦略によって、他国よりも優位な立場にあることを目指しているとも考えられます。

ただ、そうだとしても、この鄴攻めのタイミングで「領土が欲しい」というのは、下手をすると反乱を企てているのでは？と疑われて粛清される危険があるため、慎重な王翦が提案する可能性は低いですね。

まとめ

王翦が昌平君にした頼みごとの内容は、「閼与付近に兵站と別働隊を用意しておいてほしい」という内容だった可能性が高いです。

そして、その別働隊を指揮するのは、軍総司令である昌平君である可能性が十分にあります。

朱海平原の戦いで、李牧は別働隊をうまく利用して、戦局をかなり優位なものにしています。これに対して、王翦は、鄴、閼与という離れた場所に別働隊を向けて、李牧よりもさらに大きな枠で優位に立つことを目論んでいるわけですね。

おそるべし・・王翦の知略。